就職活動や転職活動では、面接において面接官から質問されるだけでなく、応募者側から面接官に質問をすることが重要視されています。この応募者からの質問を「逆質問」と呼びます。面接における逆質問の意義と目的、面接官が逆質問で評価するポイント、企業研究を活かした逆質問の作り方、選考フェーズ別の逆質問の事例などについて、このブログでは詳しく解説していきます。※目安として、3~5個は用意しておくよ良いでしょう。
1.逆質問の意義と目的
逆質問は、中途採用の面接でよく行われる質問の一つです。面接の最後に面接官から「何か質問はありますか?」と聞かれますが、逆質問を行うことには以下のような意義と目的があります。
- 入社意欲や熱意を確認するため: 応募者の企業研究や自社への興味を確認し、志望度の高さを知ることができます。応募者がどのようなことに興味・関心を持っているのかを知ることで、その人の人柄や価値観なども把握することができます。
- コミュニケーション力を評価するため: 応募者が自発的に質問をし、どのようなコミュニケーションを取るのか、急な質問にどのように対応するのかなどを見極めたいと考えています。逆質問を通じて、コミュニケーション能力や柔軟な思考力、対応力を評価することができます。
- 不安や疑問を解消するため: 応募者が抱える不安や疑問を解消することも、逆質問の目的の一つです。応募者が気になることを解決し、企業理解を深めることで、入社後のミスマッチを減らすことができます。
逆質問は、企業が応募者の意欲や質問力、社風との相性などを見極めるために重要な役割を果たしています。次のセクションでは、面接官が逆質問で評価するポイントについて説明します。
2.面接官が逆質問で評価するポイント
面接官は逆質問を通じて、応募者のさまざまな面を評価します。逆質問は情報収集の手段だけではなく、面接官に自分をアピールする絶好の機会でもあります。以下に、面接官が逆質問で評価するポイントを紹介します。
- コミュニケーション能力: 逆質問は対話の場でもあります。面接官は、応募者が適切な質問をするだけでなく、面接官の回答にスムーズに反応する能力も評価します。コミュニケーション能力は、職場で業務を円滑に進めるために重要な要素です。面接官は、応募者のコミュニケーションスキルや対話力を確認するため、逆質問での応答を注視します。
- 意欲や熱意の表現: 逆質問を通じて、応募者の入社意欲や働くことへの熱意が伝わることも評価ポイントです。面接官は、応募者がその企業で真剣に働く意欲を持っているかどうかを見極めます。入社後の目標やキャリアパスに関する質問は、応募者の貢献意識や将来のビジョンが伝わる機会です。逆質問を通じて、自身の目標や意欲を明確にアピールすることが大切です。
- 企業研究の深さ: 応募者が企業や業界に対して具体的な知識を持っているかどうかも評価のポイントです。逆質問を通じて、応募者の企業への関心や研究の深さが伝わると好印象です。面接官は、応募者が企業に対して真摯に取り組んでいるかどうかを判断するため、逆質問での知識や情報の適切さに注目します。
これらのポイントを意識しながら、逆質問を準備することが重要です。応募者は、面接官に自身の能力や意欲、研究した知識をアピールする絶好の機会となる逆質問を考えることが求められます。逆質問で自己をアピールして採用担当者の興味を引くような質問を用意しましょう。
3.企業研究を活かした逆質問の作り方
逆質問を作成する際には、企業研究が非常に重要です。自分の逆質問を具体的かつ適切なものにするためには、まずは業界や企業の情報を把握する必要があります。以下では、企業研究を活かした逆質問の作り方を紹介します。
3.1 業界・企業の基本情報を調べる
逆質問を考えるためには、まずは業界や企業の基本情報を調査することが重要です。企業や業界を知らずに良い逆質問をすることはできません!まずは以下の流れに沿って、業界・企業についての知識を深めていきましょう。
- 事業内容
- 従業員数
- 設立年
- 売上高
- 関連会社(組織図)
- 採用情報
- 企業理念
これらの情報を調査することで、企業の基本情報を把握し、逆質問作成の基礎を築くことができます。
3.2 提供しているサービス・商品を調べる
次に、志望する企業が提供しているサービスや商品について調査しましょう。他社の製品と比較することで、志望企業の業界における立ち位置や差別化ポイントを把握することができます。以下の項目を参考に調査しましょう。
- 生産量
- 販売額
- 商品・サービスの特徴
- 商品価格
これらの項目を調査することで、志望企業が提供するサービスや商品の特徴を把握しましょう。他社との違いや志望企業の魅力を見つけることができます。
3.3 働く環境を調べる
働く環境に関する情報も重要です。転勤や勤務時間、福利厚生、人間関係、社風など、入社後のミスマッチを避けるためにも、これらの情報を調査しておきましょう。以下の項目を参考に調査しましょう。
- 勤務地
- 人間関係
- 福利厚生
- 休暇制度
- リモートワークやフレックスタイム制などの働き方の有無
- 育児や介護との両立について
これらの項目を調査することで、志望企業の働く環境について把握しましょう。人間関係や社風は数字では分からない内部的な情報ですので、企業のホームページや社員のインタビュー、先輩社員へのインタビューなどを通して調査することをおすすめします。
3.4 将来性を考慮する
自分が選ぶ会社の将来の成長の可能性も考慮して逆質問を作成しましょう。将来性に関する情報は企業のホームページやIR情報、中長期計画などから把握することができます。以下の項目を参考に調査しましょう。
- 企業の戦略やビジョン
- 業績推移や成長戦略
- 海外展開や新規事業について
- 他社との競争力や差別化ポイント
これらの項目を調査することで、志望企業の将来性について把握しましょう。将来性を考慮した逆質問は、面接官に自分が将来を見据えて働く意欲があることをアピールする機会となります。
以上が、企業研究を活かした逆質問の作り方です。逆質問には企業研究の成果を活かし、自分の興味や疑問に基づいた具体的な質問をすることが重要です。企業の情報をしっかりと把握し、自分なりの逆質問を作成しましょう。
4.選考フェーズ別の逆質問例
選考フェーズに応じた適切な逆質問をすることが面接の成功につながります。選考の段階に応じた質問をすることで、自分の関心や意欲をアピールすることができます。以下、逆質問の作り方を例示していきますので、それらを基に逆質問を作り上げていってください。(ここまで企業や業界を研修した皆さんであれば、もう既に質問内容が勝手に思い浮かんでいるかもしれませんね!)
一次面接では、以下のような逆質問が考えられます:
- 御社で働くことになった場合、私には具体的にどのような業務内容をアサインされる予定でしょうか?
- 御社のWebサイトにて◯◯を大切にしている社風とありましたが、具体的にどのような取り組みをされていますか?
- ◯◯職のやりがいは何だと感じていますか?
- ◯◯さんは、御社のどのような点に魅力を感じていますか?
二次面接では、以下のような逆質問が考えられます:
- 最近のプロジェクトで直面した難題はありますか?それはどのように解決しましたか?
- チーム内でのコミュニケーションを促進するために、どのような取り組みをされていますか?
- ◯◯さんが業務のなかで苦労した経験があれば、教えてください。
- 入社から3年経過した社員の方は、現在どのような活躍・業務をされていますか?
最終面接では、以下のような逆質問がが考えられます:
- (志望している部署の)仕事内容について、詳しく教えてください。
- 入社後、少しでも御社に貢献したいと考えているのですが、入社までに特に勉強をしておいた方が良いことはありますか?
- 御社の〇〇という商品の開発に強く憧れているのですが、その商品に携わるためには、具体的にどのようなことが必要でしょうか?
- 御社の〇〇に強い興味があるのですが、どのような経緯で開発されたのか教えてください。
- 入社後は責任あるポジションを目指したいと考えています。御社の評価制度・昇進制度について教えてください。
- 御社で長期的に働き活躍するために求められる素質があれば教えてください。
選考フェーズに応じた適切な逆質問をすることが面接の成功につながります。自分の関心や意欲をアピールするために、上記の逆質問例を参考にしてみてください。
5.印象に残る逆質問の仕方
逆質問は面接の最後に行われる重要な機会であり、面接官に自分の印象を残すための貴重なチャンスです。印象に残る逆質問をするためには、以下のポイントに注意しましょう。
5.1 質問の内容を選ぶ
まずは、逆質問の内容を選ぶことが重要です。自分が気になっていることや興味を持っていることに関連する話題を選びましょう。例えば、企業のビジョンやミッション、成長戦略について質問することで、自分の興味や志望度をアピールすることができます。
また重要な事ではありますが、給与や福利厚生については質問しすぎない方が印象が良いでしょう。
5.2 事前に調査をする
逆質問をする前に、事前に企業の情報を調査しましょう。企業のウェブサイトやニュース記事、SNSなどを活用して、企業の最新情報や取り組みについて理解することが重要です。具体的な情報を把握しておくことで、面接官に対して自分の知識や情報収集力をアピールすることができます。
5.3 自分の意見や考えを交える
逆質問をする際には、自分の意見や考えを交えることが重要です。単に質問するだけではなく、自分の意見や考えを述べることで、面接官に自己表現力や主体性をアピールすることができます。具体的な事例や経験を挙げながら、自分の考えを明確に伝えましょう。
5.4 積極的に対話をする
逆質問は対話の機会でもありますので、積極的に対話をすることが重要です。面接官の回答に対して興味を持ち、追加の質問をするなど、対話を深めるような態度を心がけましょう。また、面接官の話に共感したり、自分の経験を交えたりすることで、面接官との関係を良好に保つことができます。
5.5 面接官の発言内容から疑問点を見つけ出す
少々難易度は高いですが、これは非常に有効です。面接の中で面接官が話した内容について掘り下げて聞いてみたりすると、しっかりと「事前に準備した内容を話すだけでなく、自分の話を聞いて会話しようとしているんだ」と好印象を与えることができます。ただその際、事前の調査で分かるような内容の掘り下げについて調査不足という悪印象を与えかねないので要注意です。
以上のポイントに注意しながら、自分の興味や熱意を伝える質問を準備しましょう。逆質問は面接の最後のアピールの機会ですので、十分な準備をしておくことが重要です。
まとめ
逆質問は中途採用の面接において、採用担当者が応募者の意欲や熱意、コミュニケーション能力を評価する重要な機会となります。企業研究を通じて質問内容を具体的に準備し、自己PRや将来への意欲を効果的に表現することが不可欠です。選考フェーズに応じた適切な逆質問を行い、面接官との対話を通じて印象に残る姿勢を示すことが、最終的な採用につながるでしょう。逆質問をチャンスと捉え、自己アピールの場として活用することで、面接官の心に強く残るはずです。